現在、オーストラリアのゴールドコーストに来ています。今年の6月からアネルズあづさ先生が率いるARTQのオーストラリア国家資格アロマセラピスト1年コースで技術サポートをさせて頂いており、その第1弾オーストラリア研修に講師兼研修生として参加させて頂きました。そのレポートです。
今回の目的は本場オーストラリア校『MSQ』のスチューデントクリニックで現地クライアントに施術をする事です。4日間の研修期間で計6名の施術(他の生徒さんは7名)をしました。
実際に、クライアントが記入したクライアントのカルテをチェックし、症状に適したアロマオイルのブレンドをした後、カウンセリングを含めた90分間のアロマトリートメントをします。
(写真は、施術後のアフターカウンセリングの様子)
今回、実際MSQ指定のカルテを拝見して、大きな特徴を感じたのは、感情面のチェック項目が非常に充実しているという事。
日本ではあまり見られないものがあったのでご紹介します。「変化が嫌」「嫉妬」「孤独感」「涙もろさ」「悪夢を見る」「羞恥心」「裏切られた気持になっている」「罪悪感」「セルフイメージが低い」「自暴自棄」「拒絶感」…など。
この項目にチェックが多く入るクライアントもおり、自分の気持ちをオープンにする大らかな国民性を感じると共に、
実際に他の生徒さんのクライアントで、カウンセリングの時に泣き出してしまう方も数名おられ、オーストラリアという国の国家資格であるセラピストに対する期待、信頼が大きいのだなと感慨深いものもありました。
施術部屋は本来は個室のクリニックルームがあるのですが、今回研修生の人数も多いため、スクールルームを区切りセッションルームを作って頂きました。初日は緊張が勝り、生徒さん方も顔が引きつってましたね。きっと私もですが。
クライアントへの対応は、予めこのMSQ出身のイローナ先生が台本を作ってくださり、必死にそのフレーズを覚えていったのですが、やはり実践になると、会話は一方通行では成り立たないのでクライアントの言葉を聞き取ろうと必死になると、フレーズが飛んだり、単語を間違えたり…。
つい「上手に話せなければ恥ずかしい」という想いが勝りがちですが、イローナ先生が研修中に何度も仰っていたのは、「言葉がたどたどしくても、自分に対して想いを伝えようとしてくれているか、でどうかでクライアントの心が動かされるものなんですよ、クライアントの心を動かせるセラピストになりましょう」とても基本的ででも軸となる大切な事でした。
正直、言葉の課題はまだまだありますが、その分、クライアントに寄り添う、自分の手でしっかりとクライアントを感じる、という事に集中を注ぎました。
今、出来る事しか、出来ない。
だから今できる事を全力でする。
私が常々モットーにしている言葉を、何度も声に出して、自分の耳に聞かせるように。
私が目指すセラピーは心と体の感覚バランスを整える事。特に肌感覚の調整です。ただ気持ち良さを感じて頂くだけではなく、セラピストに触れられてクライアントがどう感じたか、どう思ったか、それを最大限に尊重したいと考えています。
肌感覚よりも思考が優先しがちな現代では、何かを判断する時に情報や他者の意見に左右されやすくなっています。しかし、人間のすごいところは直感があるところ。意外と直感で決断したことが物事をスムーズに進めたり、危険を回避したりするのです。
また肌感覚バランスが崩れると心も比例して疲労したり、ネガティブになったりすることも。
『自分の肌でどう感じるか、そして肌感覚を信じられるようになる』ことの大切さを、直接クライアントに触れる事ができるボディワーカーとしてお伝えしたいと思っています。
改めてそんな想いを強める研修でもありました。
それにしても、オーストラリアの方々は大柄な方が多いですね。中には2メートルを超える男性もおられました。肌質や体型、よくある疾患も日本人とは全然違いますが、深い密着感は喜んで頂けたようです。(ビューティフル!が一番の賛辞の言葉だそうですよ。)
肩こりや関節痛の方が多いように感じました。大柄ではありますが、下半身や足首が華奢である事に原因があるそうです。
またワークアウト(体を鍛えている)方も多いので、筋肉質な方も多かったですが、年齢を重ねると筋肉が落ちる分フカフカのお身体になっている方も。
強さ加減のお好みは、概ね強めと伺っていましたが、クライアントによっては「More righter」と軽めの圧を希望される方も数名折られました。逆に超ハードな施術をご希望される方も。スタンス理論で培った圧をしっかり入れる手技でしっかりご満足頂けました(^^)。
アロマに関してはブレンド前に好き、嫌いを先に伺うのですが、好きも嫌いも「ラベンダー」を挙げる方が多く、ポピュラーな精油なんだな~と改めて実感(たまたま私のクライアントさんだけだったかもしれませんが)。本当に色々な事を学び吸収した研修でした。この経験を自身の生徒様方にもどんどんシェアしていきたいなと思います。
途中からアネルズあづさ先生も日本から合流し、研修もより引き締まりました。あづさ先生はこのコースを皮切りに世界で活躍できるグローバルなセラピスト育成を目指しておられます。
今回の1期生はその記念すべき第1歩で、そこに参加させて頂けた事が本当に光栄でした。
来年6月の試験の為に、またこのMSQに戻ってくる予定です。それまでにそれぞれ、もちろん私も課題は沢山あり、学びも続きます。きっと半年後にはまた違う景色が見えているはず、と新たな希望とヤル気で生徒さん方の表情はキラキラ輝いてました。
今回、初心者から学び始めた方も数名おられました。初めて代金を頂いてのクライアントが外国の方でしかも海外で…なかなか無い経験です。彼女たちにとっても素晴らしい体験になっただろうな~とお母さん目線で見てました(笑)。
改めて、私自身「心技体の整ったプロフェッショナルなセラピストを育成する講師」として、この経験を生かせるようにしたいと思います。自宅サロン、店舗サロン、海外へと活動するフィールドはそれぞれに、どんな場所、状況でもプロフェッショナルとして活躍できるセラピスト育成の為に、私も日々精進します。
今日はスクールオフデー。こうして忘備録を綴っています。残り2日間、思いっきりオーストラリアを楽しんできます♪