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【開催報告】2019.8.6 心と体を繋ぐトレーニング講座

初開催、ボディワークセラピスト様向けの『心と体をつなぐトレーニング講座』が無事終了しました。パーソナルトレーナーのwakanaさんは、恐縮ながら私、関口智子の娘です。幼い頃から施術を受けているだけあって、私が伝えたい事、形にしてほしいことをしっかりと講座として作り上げてくれました。

 

講座メイキング裏話

 

実はこの講座、かなり前から案を練っていました。というのも、セラピスト様向けのスタンス理論講座を開催したり、技術指導をさせて頂くにあたり、理論の前に、基本的な体作りの必要性を実感していました。

 

 

セラピストは手だけでなく、身体全体が道具です。一流の職人さんは、道具を正しく使い、また使いこなすことが必須です。となると、セラピストも自分の身体に対して理解を深め、使いこなすための知識、訓練が必要だと常々考えていました。

 

しかし、私自身、正直に言うと、筋肉トレーニングのような運動はあまり得意ではありません。自分でもジムへ行って何度もチャレンジしましたが、いつしか足が遠のき、幽霊会員になっている…というケースを繰り返してきました。

 

そんな中、わが娘がパーソナルトレーナーとして2017年から独立し、出張パーソナルとして沢山の顧客を持ち、今年、2019年4月にはアメリカでの解剖実習を一緒に体験し、私以上に良く勉強しているのを間近に見て、親子関係抜きで信頼できると感じました。

 

案を伝えていたのは1年以上前からですが、本格的に形にするにあたり、要望を具体的に伝えました。が!やはりトレーニングするための身体の使い方と、セラピストの身体の使い方(特に私)は違いも多々あり。

 

ですが、この講座の目的は『技術向上と体を傷めない施術』です。お互いに妥協することなく、必要な運動と施術を連動させるための打合せを何度も行いました。

 

 

技術向上をめざして

 

今回の講座の目的は5つ

 

1 ニュートラルポジションを知る

 

2 体重の重みを自分でも感じられる

 

3 肩甲骨から腕を使えるようになる

 

4 股関節が屈曲できるようになる

 

5 総合的に身体を使える

 

自身の身体を知り、ボディイメージをきちんと掴むことで、身体の柔軟性や

可動域がグンと広がります。その為にはまずは『姿勢』から。

骨盤の前傾、後傾の傾向を知り、膝の向きなど身体の癖をwakanaさんにレクチャーしてもらいました。私自身、技術向上には『骨盤をニュートラルポジションにできる』のがとても重要だと思っています。

 

身体のバランス、リズム、呼吸、圧の深さ、そして手の柔らかさ、そして間の取り方に大いに関連するのです。

 

中庸なバランスがとれてこそ、様々に動く事もできるし、止まる事もできる。
自分自身が、ニュートラルポジションを日々意識することで、肩こりや腰痛が消えました。もちろん施術の安定感は抜群に向上したと実感できたからこそ、お伝えできることです。

 

 

さらに、圧が思うようにお客様に乗せる事ができない…と、お悩みを多くのセラピストさんから受けてきました。

 

手力ではなく、深い圧(ここでは強くとは敢えて言わず)をお客様に伝えるようになるためには大切な事があります。

 

自分の体重を肩、肘、手首、手のひらで実感しているか?

という事なのです。

 

安定した深い圧は、身体の使い方にも秘訣があります。

それは頭頂から尾骨までの体幹を一枚の板のように使えるかという事です。

 

腕や手の力では限界があります。

体幹の重みを使って、沈む様にお客様に深い圧を乗せる。

 

それを支えてくれるのが肩甲骨からの肩関節であり、肘や手首なのですね。腕立て伏せをしていると手が震えたり、すぐに辛くなってしまう人は、その支えの角度が安定していない可能性があります。

 

やみくもに筋肉を鍛えるというよりも、どこから体が繋がっているのかというボディイメージをしっかり持つことで、その為に必要なトレーニングが出来ると考えています。

 

写真は骨盤や胸郭、肩甲骨を自由に動かすためのトレーニング方法です。これも普段の姿勢により、腰や肩甲骨が動きづらいなどの特徴もあります。

 

 

そして更に大切な股関節の屈曲。

股関節は施術の流れに必要なリズムを刻みます

 

股関節の動きが安定すると、下腹部にあると言われている丹田も安定すると考えられています。臍下丹田は『腹が据わる』という言葉もあるように、精神が落ち着き、洞察力があがったり、呼吸が深くなる、と私も感じています。

 

施術の滑らかなリズムや手の流れを作るとともに、セラピスト自身も心が穏やかに、落ち着いた間を作り出せるのですね。

 

他にも股関節や膝の向きをチェックして、体幹の安定度なども確認しました。施術の際に、腰が痛くなるのは、骨盤の向きが多いに関係しています。

 

多くは手の流れる方向と骨盤の向きが合っていないケースです。

しかし骨盤の向きだけを直してもダメなのです。足の置く位置、膝の向き、股関節の動きが連動して、はじめて骨盤の向きが安定します。

 

 

セラピストさん向けの講座として、私も上記のような内容を補足させていただきながら、wakanaさんに、一人一人、動きを細かくチェックしてもらいました。大人数で受けるスポーツジムやスタジオにはない、少人数ならではです。

 

他にもテニスボールを使っての筋膜リリース方法や、セラピストが育てていきたい触覚についてのレクチャーもみっちりしてもらいました。

 

 

身体が安定すると施術がもっと楽しくなる

 

前述のとおり、私達セラピストは体全体が道具です。そして身体を使って施術を表現する表現者でもあります。

 

自分の感じる通りに、思う通りに身体が使えるようになると、施術はもっともっと楽しくなります。

 

逆に体が緊張していたり、動きづらさ、痛みを感じてしまうと、お客様に触れてはいるものの、手からの感覚がなおざりになり、施術は機械的にもなりかねません。

 

もちろん、思う通りに身体が使えていたら、皆がオリンピック選手になっていることでしょう。なので、コツコツと練習が必要です。

 

何かをするときには「何のために」するのか?という目的が大切です。密着感を増やしたい、圧を深く入れたい、身体の痛みを無くして長くセラピストを続けたい、それぞれに色々な想いがあると思います。

 

この講座では、その皆さんの想いに寄り添っていきたいと、トレーナーのwakanaさんと共に考えています。

 

トレーニングするというよりは、「体の感覚を整える」が出来るようになるための講座です。ご自身で確信が持てるまで、いつでも、何度でもご参加いただきたい講座です♪

 

 

 

最後に。第1回目は、東京、神奈川、千葉、長野からもご参加いただきました。

皆様、誠にありがとうございます!

 

この『体と心を繋ぐトレーニング講座』は、当面定期的に開催する予定です。

 

 

この講座は8月、9月の開催が決まっています。

次回もご来場お待ちしております。

次回開催日はこちら

 

 

またセラピストの施術の際の身体の使い方講座『スタンス理論講座』は

東京・青山のARTQ様にて3日間集中講座で9月、来年1月に開催予定です。

 

今回のwakanaさんのWSも組み込んで、ボディメカニクスを学び、実際にオイルを使用しながら体の使い方を学ぶコースです。ご興味ありましたら是非チェックしてみてくださいませ。

 

 

スタンス理論3日間集中講座はこちら

 

追記:写真の棒は、姿勢のチェックで使用しています(笑)。

ありがとうございました!