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「本来感とは?」心理学勉強会

 「本来感」という言葉をご存知ですか? 本来感は生まれた時から誰にでも備わっているもので、自分の心のままに自由に振る舞うことができるものです。ですが、成長するにつれ、意地悪されたり、嫌だと思うことをされると自然と自尊感情が損なわれたり、歪められていくことも。この本来感を育むには、自分が「受け入れられている」「大切にされている」と感じることが大切だそうです。

 

① いつも自分らしくいられる

② いつも揺るがない「自分」を持っている

③ 人前でもあるがままの自分が出せる

④ 他人と比べて落ち込むことが少ない

⑤ 自分のやりたいことをやることができる

⑥ これが自分だと実感できるものがある

⑦ いつも自分を見失わないでいられる

 

 

心理学者の研究により、自尊感情や自己効力感、本来性の感覚を感じられることがウエルビーイングを促進することに着目し、上記の7つの「本来感尺度」が作られたそうです。

 

他者や外部的な評価に左右されず、素直に自分を表現できること、まさにあるがままを生きる、という感じですね。ですが、人間は一人では生きられませんので、さまざまな環境の中で、どうしても上の7つとは逆のことを感じたり思うことも多いでしょう。

 

しかし、人はつまづきや困難や辛さなど、たくさん経験して、自分と向き合い「本来の自分ってなんだろう」と問いかけるのだと思います。赤ん坊の純真無垢な本来感から、成長の過程でいびつに見えてしまった世界の中で見つめる本来感、そして、さまざまな経験を通じて気づいた本来感。

 

自然に四季があり、常に揺らぎがあるように、人もまた揺らぎの中で日々生きています。自分の体調や感情もまた日々揺らぎ、周囲の人との関係でまた揺らぐ…。その中で、自分は何者だろうか?と自問自答を繰り返して、ある日ふと「自分はこれでいいんだ」と思えるようになってくる。

 

本来感は元々、誰もが備わっているものだそうですが、完成されたものではなく、自分を見つめ、今、自分がどんな状態なのか、本来の自分は?と問いかけながら「大丈夫、大丈夫、これでいいんだよ」と自分を安心させるための指針なのかなぁ、なんて、そんな気持ちにもなりました。

 

 

「本来感は愛情によって育まれ、心地良いなぁと感じる体の体験が大切」だと、師である今野義孝先生はおっしゃいます。

 

私自身、心地良いなぁと感じる時ってどんな時だろう、と考えてみました。

 

・自分らしくいられるなぁと感じられる時(心地良いと感じられる)

・周りの目が気にならない

・他の人に合わせなければ、という焦りが無い

・自分の身体と心が一致している

・からだが緩んで呼吸が深くなる時

・身体に痛みがあっても、身体からのメッセージとして受け止めることが出来る。(頑張ったね、と体にいたわりの気持ちを伝えられる)

・ありがとうと自然に湧き出ててくる、心から感じられる時

・自分の居場所や所在が、ここで良いと感じられる時(おさまりを感じる)

・やらなきゃではなく、やろう、やりたいと感じられる時

 

 

この心地良さを感じるには、安心できる場所があることが大前提です。これは、物理的な場所だけではありません。

常に不安や戸惑いを抱えていたら、呼吸も浅くなるし、常に焦りで気持ちがざわついているかもしれません。今回の学びでさらに響いたのは「安全基地を持っているか」というお話しでした。これは誰かに作ってもらうだけではなく、自分がそう思えることが大切なのです。

誰にも何にも言われていなのに「私はこの場所に相応しくないのではないか?」「私の居場所はここじゃないかも」と思ってしまう。居心地の悪さを自分で作ってしまっていることはないでしょうか? 私は過去にありました。肌が馴染まない、というか、もぞもぞする心とからだ‥。

 

「これって、私自身が生み出してる感覚じゃない?」とふと、思ったんです。そして、「ここに来るって決めたのは自分だし、何がしたくて来たんだけ?」と自分に問いかけ、ゆったりと呼吸を繰り返すと、ふわふわしたお腹がゆっくりと重くなるのを感じて、気がついたら自然な笑顔になっている自分に気づきました。

今野先生曰く、自分で自分を排除してしまう「よそもの的自己感」という心理があるそうで…。まさにこれだったなぁと、思い出しながらお話を聞いていました。

 

私たちセラピストがご提供している、リラクセーションには、そんな居心地の悪い心とからだを一つにする力があると思っています。セラピストはクライアント様を「ただひたすらに丁寧に」そして「あるがまま」を大切にしたいと願ってセラピーを行います。

 

ジャパニーズオイルセラピーAtsuでは、オイルセラピーを通じて、自分が「無条件に大切に扱われている」と感じることが、自己肯定感や自尊感情の回復にもつながるのではないかと考えています。

「安心して、自分とゆっくり向き合ってほしい」そして「本来感を味わう時間」として、リラクセーションをご提供したい…。「受ける禅」のネーミングはこんな想いからつけられています。

 

 

 

身体心理学ご専門の今野義孝先生から、2ヶ月に1度、心理学を学んで3年になります。今回はスクールの生徒様方をお誘いしてご一緒に学ばせていただきました。全国から集まってくださった生徒様の中には、今野先生の温かい語り口に何度も涙する方もおられたようです。勉強会というよりは、自分がセラピーを受けているような、とても素晴らしい時間でした。

 

今野先生のお話を伺っていると「大丈夫、大丈夫、今までよく頑張ってきたね」と自分を抱きしめてあげたくなります。そんな素晴らしい先生と、こうして一緒に学べる皆様がいることに、改めて感謝の1日でした。

ありがとうございます!

 

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