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暗示は祈り~心理学の学びから~

昨年、ソマティックフォーラムに参加させていただいたことがきっかけで、ご縁を頂いた心理学者の今野義孝先生。先生の温かいご厚意で今でも不定期に心理学についての勉強会を開催していただいています。学びのテーマは「癒しのボディワーク」。先生の著書を詳しく紐解いていただき、身体と心のホリスティックアプローチを多角的に考察しています。

アマゾンではプレミア価格になっているこの本、貴重です!
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突然ですが、皆さんは施術しているときに、ふっとクライアントと触れている境界線が無くなったり、一体化するような感覚になったり、大いなるものの存在を感じたりしたことはありますか?

 

今回は個人の意識を超えた、無意識の奥で繋がっているというユングの説のお話を解説していただきました。(決して怪しい宗教ではありません~)。

 

私自身、施術をしている時、ふっと時間が止まるような、別空間にいるような、そんな感覚を味わう事が多々あります。(寝ているわけではありません(笑))。

 

ふと思い出したのは、今年の1月にタイでのジャパンエキスポブースでAguraAtsuの施術をさせて頂いた時の事。大型百貨店の通路に所せましと並べられた小さなブースの一つの中で、お客様にあぐらスタイルでの約10分間の施術を行いました。

 

タイ・バンコクでのジャパンエキスポ2018 3日間で35万人の動員だったそうです
タイ・バンコクでのジャパンエキスポ2018 3日間で35万人の動員だったそうです

 

実は…写真の奥、エスカレータの向こうが特設ステージで。ひっきりなしにアイドルがショーを行っていたんです、爆音ともいえる大音量で(タイでは日本のアイドルが大人気)。

 

癒しのブースとしては、とても複雑な気持ちでしたが(笑)、これもあるがままとして、お越し下さるクライアントさんに集中しようと、意識をクライアントさんの身体と自分の手に集中させました。

 

「息を吸って…、吐いて…」とゆっくりクライアントさんに語り掛け、圧のタイミングを丁寧に合わせていると、だんだん不思議と周りの音が気にならなくなってくるんですね。それだけではなく、まるで私達しか『そこにいない』ような感覚になることも。

 

クライアントさんと色々な境界を越えて深いところで溶け合った瞬間だったような気がします。言葉は通じなくても。

 

そんな時、ふっと浮かぶのはやっぱり「感謝」でした。今日、ここで施術をさせてもらってありがとう、今日出会えたことにありがとう、ただその言葉だけが浮かんできました。

 

勉強会で今野先生の「身体に語り掛け、語り掛けてくる身体にまた語り返す、その空間を大いなるものが包み、見守っている」という言葉に、タイでの出来事を思い出していたのでした。実際、タイでは、この爆音の中で少しでも緩んでもらえたかな…とちょっぴり心配でしたが、私自身がそんな風に感じられた施術の時は、不思議と比例するようにクライアントさんも最高の笑みを浮かべて喜んで頂けた様子だったので、あ!これか!と改めて気付きを得た勉強会でした。(経験て大事!後で理由や理屈がスッと入ってくるから)

 

タイでのイベント様子はこちら

 

 

また勉強会後半では、『自律訓練』や『斬新的筋弛緩法』などを学びました。

 

自律訓練は、誤解を恐れずに言うならば『催眠暗示』です。催眠暗示、つまり催眠術…というと、暗示をかけられた瞬間に嫌いなものを食べても美味しい~と感じたり、身体の自由が利かなくなったり…というものを想像しがちです。

 

しかし、現代ではこのような深いトランス状態を作ることは、催眠学会で禁止されているそうで(危険との理由から)、エリクソン催眠という覚醒した状態で暗示を行うのがスタンダードだそうです。

 

この自立訓練の為の暗示は「とても気持ちが落ち着いている…。ゆったりした良い気持ちだ…。手が温かく感じる…。」などの言葉を他者、もしくは自分にかけていくわけですが…。

 

この時に必要な3つがあります。

 

①信頼関係

②リラックス

③あるがままを受け止めるトランス

*トランスとは普段とは違う意識の状態

 

 

 

暗示…というと、怖いイメージがありますか?しかし、私達は日々自分で自分に暗示をかけている場面が沢山あるのです。

 

例えば、やりたいことがあったとします。それを実現するために「どうやったら出来るんだろう」と常に達成のための手段を探す人は「出来る」というキーワードを常に自分に暗示をかけているともいえるので、実現化しやすくなります。

 

しかし「やりたいな~、でも難しいな」と思ってしまう人は具体的な行動への道筋が無いために動くための暗示もなく、更に難しいというキーワードで自分の行動を制限してしまうのですね。

 

暗示には「自分が在りたい願い」がテーマであり、その願いに沿って自分に語りかけていくことで「夢が実現する」のだそうです。

 

しかし、再度ここで重要なポイントを!

信頼関係が大事!という事です。

 

自己暗示をかけるにしても、それを信じていなければ効果は無いですよね、どんな事でも。逆に水道水を飲んだだけでも「体に良い」と思って飲むと何らかの効果が出る、なんていうプラシーボ効果もあります。

 

ここで私の体験談を…私は若かりし頃…。やりたいこと、なりたい自分、夢を沢山持ってました。しかし、それはその当時の自分が好きではなく、何か別のモノになりたい、資格を取ったら変われるんじゃないか、というその時の自分を否定した上での願いでした。

 

 

実績もなく、実力もなく、だからそんな自分を信じることも出来ないのに、夢だけはフワフワ、でも具体的なビジョンと達成のための確実な方法も分からず…。

 

だから何も実現しませんでしたね、振り返ってみると。

 

でも地に足をつけて技術を身に着け、働くようになり、経験値を少しずつ積みあげていくことで、出来る事が増え、自分に対して信頼できるようになった時、「夢は叶う」という言葉は嘘じゃないと思えるようになりました。

 

今も変わらず、夢は沢山あります。やりたいこと満載です。ですが、あの時の自分と違うのは「自己否定」して「他のものに成り代わるための」夢ではなく、今の自分にプラスオンして更に成長し、誰かのお役に立てる人間になるための夢を持っているという事。。

 

私のモットーは「言うだけはタダだから、とにかく言葉に出す」で、不思議なことにここ数年は「言葉に出した事」が物凄いスピードで実現化していくのを感じています、良きにしても、悪きにしても。(だから本当に気を付けてるんです…美しい言葉や思考を持てる人間になれるように)

 

すぐに実現しないことは、やっぱりその時迷いがあった時。でも更に経験を積んでくると不思議と「あれ!あの時思ったことが現実化してる!」と思う事もあったりするのですね。

 

 

きっと皆さんも同じようなご経験をされている方は沢山おられるのでは、と思います。

 

話を戻しますが…(;'∀')。

 

実際に、自立訓練法を皆でやってみました。最初は今野先生に誘導してもらったパターンと、自分自身でイメージして行う2つのパターン。

 

自律訓練では自分自身を心地良い状態へいざなうものです。皆さん終了後、そろって「今野先生の誘導では体が温かくなったり、ふわっと軽くなったけれど、自分の時は上手くできなかった!」という声が上がりました。

 

ヨガや瞑想の時に、心地良い声で誘導されるとふわ~っとその世界に入って行けますね。しかし、いざ自分ひとりでやってみようとすると、意外と色々な事が気になったりして上手くリラックスできない…。

 

これは先ほどの「信頼関係・リラックス・トランス」です、まさに。勉強会の優しい雰囲気と今野先生の温かい誘導に私達参加者は、みな信頼を寄せています。という事は…、改めて自分を信頼するという無意識レベルでの修業がこれからもまだまだ必要だな~と思うのでした(私はです…~)。

 

暗示は在りたい姿へと導く祈り。

日々自分を信頼して生きる、そういう人生で在りたい。

強くそう思います。

これも暗示ですね、きっと(笑)。

 

 

他にも力がどうしても入りやすい方に対しての筋弛緩法もレクチャー頂きました。技術を習得する際にとても役立ちそうな素晴らしいものばかり。

 

是非、スタンス理論講座や技術指導の際にシェアさせて頂きますね!今回も今野先生のお話はもちろん、皆さんのご意見から沢山の気づきや学びを頂きました。本当に素晴らしい学びに恵まれ感謝感謝です。毎回、心理学を学ぶという事は他者の心を学ぶというよりも、自分に向き合う貴重な時間となっています。技術に自分が現れる表現者でもあるセラピストは是非心理学を学ぶことをお勧めします(*^-^*)。

 

 

 

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